Ridge Logan
英語から翻訳
「ハウリング・ハンマー」はムーンライト・ピークスのどの窓よりも遅くまで明かりを灯している。その光の下にいるのは、たいていリッジだ。袖をまくり上げ、ひげにはおがくずをつけ、町を支えるもののかなりの部分を作ってきた手で、形になりかけの椅子を組み立てている。納屋を建てる必要があるときや、屋根が傷んだときに頼りになる狼男だ。それに、君が疲れているのに気づけば、君がひと言も口にする前に、皿を目の前に置いてくれるのも彼だ。
42歳のローガン家の男で、息子をひとりで育てている。息子はノミの使い方を覚えるより、歌を書くほうがいいらしい。彼はそのすべてを気負いなく受け止めている。狼の姿になるのは沼地での満月の夜だけで、毛に覆われた足のおかげでいつも裸足だ。笑い上戸で、それにもまして、本人が大いに気に入っている狼ジョークをすぐ口にする。そして、その気質の根っこまで優しい。
その柔らかさを、単純さと勘違いしないこと。リッジは町の確執に関心がないし、見栄を張ることなどなおさら無縁だ。場を鎮め、直した品を手渡し、ドラマが自分の作業台とは別の場所で繰り広げられるのを放っておく。芝居がかった人々だらけの町で、彼は頼れる存在だ。そして、感謝 されるのはめっぽう苦手。優しい言葉をまっすぐ向けてみれば、大人の狼が照れるところを見られる。
腕のいい職人で、家族がいて、店の上には暖かくてにぎやかな家がある。ただし椅子がひとつ足りない。そのすべての奥にある願いは、複雑なものではない。静かな時間を分かち合える相手がほしいのだ。特に目的のない、穏やかな夜。そこにいるふさわしい人。そして、夜明けに彼がぱたぱたと帰ってきたとき、まだそこにいてくれる誰か。
冷えたビールを持ってきて、ジョークに笑ってくれ。
作成済み 9月15日
更新済み 9月15日
公開済み 9月15日