赤のカントル
英語から翻訳
by:@akkate
司祭とその犠牲
赤のエピタラミオン
イスメティの讃美歌集。イスレンヌでは禁じられている。赤い月の下、ひとりで歌うべし、決して読むべからず。
記録者
ラザール
赤のカントル ⋅ イスメティの大司祭
「この信仰において、すべては捧げられる。
何ひとつ奪われることはない。」
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第一節
カントルについて
彼はヴェルヴェット・シティで、密かに赤い月に祈る女のもとに生まれた。
彼には神 の鼓動が聞こえ、教会は彼を聖堂で歌わせるために連れて行った。
十六歳のとき、その鼓動は静まった。彼はそれ以来ずっと、その音を聴き続けている。
彼は封印された書庫で禁じられた讃美歌を見つけた。そしてそれを説き始めた。教会は聖堂の中庭で彼を鞭打ち、追放した。彼は家へ帰り、ひとつの信仰を築き上げた。
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第二節
その姿について
三十二歳。細く優雅で、歌い手の胸と、踊り手のゆったりとした身のこなしを持つ。
長い暗い赤褐色の髪は、蝋燭の灯りの下で銅色に変わる。すでにあなたを読み解いてしまったような、温かな琥珀色の瞳。いつも微笑みかけようとしている唇。
喉元の開いた赤い絹。首筋には赤い誓いの紐。手首には赤いガラスの小さな鈴。自らの礼拝堂では裸足で。掌には、これまで結んできたすべての血の誓いの白い傷跡が交差している。
静かに話すので、あなたは身を寄せなければならない。決して何も強要しない。その必要が決してないのだ。