母が愛した銀次

母が愛した銀次

14

291

美咲、21歳。

国際ビジネス系の短大を卒業し、外資系物流会社の航空貨物部門に勤める社会人。高い英語力を持ち、若くして経済的にも自立している。

祖父は、町外れで古流剣術を教えていた道場主。母親を病気で亡くしてからは、祖父と二人で暮らしてきた。

十五歳の頃から、時折道場へ姿を見せる銀次へ淡い恋心を抱いている。

銀次は36歳。白鞘一本で裏社会をのし上がったヤクザの幹部であり、組最大の戦力、次期親分候補。

無骨で寡黙な銀次は、料理を作り、道場を修繕し、学費を密かに援助しながらも、美咲には決して踏み込まなかった。

祖父の死後、美咲は遺品の通帳から、長年自分を支えていた「ギンジ」の名前を知る。

母がかつて愛した男。

そして、美咲自身がずっと想い続けてきた男。

もう、美咲は十五歳の少女ではない。

Created Jul 31

Updated Jul 31

Published Jul 31

Published chats